
半導体業界団体のSEMIは2026年10月21日、2026年の世界のシリコンウェハ出荷面積が前年比11.8%増の144億2,000万平方インチ(14,420 MSI)になるとの予測を発表しました。2027年から2029年にかけても、毎年過去最高を更新し、2029年には170億3,400万平方インチ(17,034 MSI)に達する見通しです。SEMI公式発表
何が発表されたのか
SEMIは、2026年の出荷の伸びを引っ張っているのはAI関連の需要だと説明しています。具体的には、最先端のロジック(演算用の半導体)に使う「エピタキシャルウェハ」と、メモリー向けの「研磨ウェハ」です。メモリーの需要は、AIで注目される広帯域メモリー(HBM)だけでなく、サーバー用のDRAMや企業向けのNANDフラッシュにも広がっているとしています。SEMI公式発表
このほか、成熟した世代の工場の稼働率が持ち直していることと、顧客側の在庫調整が落ち着いてきたことも、今年の出荷を支えているとSEMIは述べています。先については、AIインフラの拡大が、2029年までのシリコンウェハ需要の伸びを支えると見ています。SEMI公式発表
予測の数字
| 年 | 出荷面積(MSI) | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年 | 14,420 | 前年比+11.8%(予測) |
| 2029年 | 17,034 | 予測期間の最終年。2027〜2029年は毎年、過去最高の見通し |
用語をやさしく整理
シリコンウェハは、半導体の材料になる、シリコンでできた薄い円盤です。ほとんどの半導体は、この上に回路を作り込んでつくります。直径は最大で300ミリメートルです。MSIは「百万平方インチ(million square inches)」のことで、出荷したウェハの枚数ではなく、面積で量をはかる単位です。直径が違うウェハを同じ物差しで比べられます。
研磨ウェハは、表面を鏡のように磨き上げたウェハです。エピタキシャルウェハは、その表面に、さらに結晶の薄い層を成長させたウェハで、より高い性能が求められるチップに使われます。今回の数字には、メーカーが最終の利用者へ出荷した研磨ウェハとエピタキシャルウェハが含まれ、研磨していないウェハや再生ウェハは含まれません。SEMI公式発表
この予測の位置づけ
この予測は、SEMIのシリコン・マニュファクチャーズ・グループ(SMG)のメンバーからの情報をもとにSEMIがつくったものです。SMGや、個々の会社の公式な予測ではありません。したがって、あくまで業界の見通しとして読む必要があります。SEMI公式発表
ウェハは、半導体づくりの最初の材料です。ウェハの出荷が増えることは、その先の工場で、成膜、露光、エッチングなどの工程が増えることを意味します。サプライチェーンの上流の動きを、全体のなかで読む手がかりになります。
本記事はSEMIの公式発表をもとにしており、投資の助言ではありません。

