半導体製造装置の中は、真空・ガス・プラズマ・搬送・温度の5つの仕組みで動いています。この記事は、その主要部品を3つのグループに分けて、役割と関係をまとめた地図です。気になる部品から、詳しい解説記事に進めます。
この記事でわかること
- 装置の中で、主要部品がどのグループに分かれるか
- 各部品が装置全体の中でどんな役割を持つか
- 異常が起きたときに、どの記事から読めばよいか
① 真空をつくり、守る部品(排気・シール・計測)
多くの工程は、空気をほとんど抜いた真空の中で行います。真空を作る部品と、真空を守る部品、真空の状態を測る部品の3つがそろって、はじめて安定した工程になります。
- ターボ分子ポンプ(TMP)|高真空を作るポンプ。粗引きのあとに働く
- 真空バルブ・ゲートバルブ|チャンバーとポンプ、搬送室の間をつなぎ、仕切る
- Oリング・真空シール|部品のつなぎ目から空気が入らないよう密封する
- 真空計|真空の度合いを測る。方式で測れる範囲が違う
- ヘリウムリーク検査|真空漏れの場所を、ヘリウムの信号で見つける
② ガスとプラズマを制御する部品
薄い膜をつけたり、削ったりする工程では、ガスを決まった量だけ流し、必要ならプラズマを起こします。使い終わったガスは危険なものを含むため、処理が必要です。
- マスフローコントローラ(MFC)|ガスの流量を一定に保つ
- RFマッチングネットワーク(整合器)|高周波電力を無駄なくプラズマに届ける
- 除害装置(Abatement・スクラバー)|工程で使った排ガスを無害化する
③ ウェハを保持・搬送し、温度を守る部品
ウェハは、工場の中を搬送され、装置の中で固定され、決まった温度に保たれます。ここが乱れると、膜の厚さや加工の形がずれます。
- 静電チャック(ESC)|静電気でウェハを吸着し、温度制御を助ける
- チラー(温度制御)|冷却水の温度を一定に保ち、装置の熱を逃がす
- EFEM・ロードポート・FOUP|ウェハを入れた容器から装置へ受け渡す
- ロードロック室|真空室を開けずにウェハを出し入れする
異常が起きたとき・保全の考え方
装置が止まったり、数字がいつもと違ったりしたときは、部品単体ではなく、全体の関係から切り分けます。次の記事が、その入口です。
- センサとインターロック|装置が「危ない」と判断して止まる仕組み
- アラーム初動対応|アラームが出たとき、最初に何を確認するか
- トラブルシューティング手順|原因の切り分けから復旧まで
- 状態監視とトレンド管理|壊れる前の兆候を、数字でつかむ
- 予防保全|壊れる前に止めて、部品を替える考え方
この知識が使われる仕事
ここで紹介した部品を扱うのは、主に設備保全や装置エンジニアの仕事です。仕事の中身は、次の記事で確認できます。
- 半導体保全・メンテナンス職|未経験から入る入口
- 装置エンジニア|装置を止めない仕事
自分に合う職種を知りたい方は、半導体キャリア3分診断も使えます。

